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ILH代表黒部のブログ

夏休み後半戦

夏休みも後半に入った。夏休みが6月から始まるアメリカでは、8月も後半に入ると町中で"Back to school"のキャンペーンが始まる。そのせいか自分たちも心の準備ができるというか、6、7月を乗り切ったのだからあと2週間はなんてことはない的な感覚で過ごせる。ところが日本ではお盆休みと同時に家族の夏休みがあり、実家に帰省して楽しい時間は過ごすものの、お金も体力も使い果たし状態になるので、残りの2週間は楽ではないような気もする。
 先日ある著名な幼児教育の先生が「夏休みは子供も休む時、できるだけおうちでゴロゴロさせなさい。」と言っていた。確かに学校での学習に加え習い事やらサークル活動やらと、子供といえども休む暇なしに時間を過ごしている。そうなると自分で考えて行動することが希薄になり、スケジュールで決められたタスクをこなすだけの毎日、そこから解放されて自分で好きなことを考え、自分で遊びをクリエイトするチャンスは夏休みにありである。しかし実際は親が働いていたり、小さな兄弟がいたりすると「ゴロゴロ」はネガティブな行動として捉えられることが多い。「ゴロゴロしてないで夏休みの宿題やっちゃいなさい!」とか「ゴロゴロしないでお友達と遊んで来たら?」とかを言ってしまった親は私だけではないはずだと思う。
 イギリス人ママから学んだ子育ての一つに、ダラダラするならあなたも一緒にダラダラしなさい。」ということだった。それも時間を決めて。全くイギリス人らしい考え方なのだが、夏休みのある日、時間を決めて家族全員でダラダラする。場所は自分の家なのでお金はかからない。パパが会社を休むかは仕事次第。強制はしない。このイギリス人家庭では新聞記者であるパパも会社を休んでダラダラdayに参加した。偶然にも私はそのダラダラデイに遭遇した。午前11時、ママはジャージ姿でソファーに腰掛けコーヒータイム、パパはローリングストーンズを聴きながらアルバムの整理、4人の子供たちもそれぞれに好きなことをしている。部屋の中は散らかり放題でも楽しそうな家族の雰囲気が満ちていた。ランチ作りもそれぞれが好きなものを作っていいことになっていて、子供たちはパンケーキを作り始めたが、ママは私とのおしゃべりを止めるでもなく手伝ったりはしない。パパはイギリス人の好物チェダーチーズとエールビール、そのうちゴロリとカウチに横になりヘッドホーンをつけると昼寝を始めた。
子供たちはかなりの勢いでキッチンを汚していたが、ママは我関せず、これからシャワーを浴びるからちょっと待っていてねと席を立った。これが日本だったらどうだろう。まず友達が来ると言って部屋の片付け、子供同士で遊ぶというとそれなりのセッティング、ランチ付きであればママが奮闘して何か作る、ましてパパがお休みで家にいるとなると、悪いけどこれからママ友が来るから自分の部屋にいてくれる?なんてお願いすることになる。つまり人前でダラダラすることはちょっと恥ずかしいことと考える人がほとんどなのではないかと思う。
 ダラダラデイは、その日に人配達人が来ようが、友達が来ようが、そんなものに左右されず、また家族からも指示を受けない。やりたいように自分で一日を作る。お金はほとんどかからない。夏休み後半の一日、こんな日を作ってはどうだろうか。

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