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ILH代表黒部のブログ

ランゲージ・ハウス幼稚部のプリンシパル その3

ランゲージ・ハウスのプリンシパル その3 「日本人力」

「日本人力」とは、海外での生活、また国内においても外国人と交わっって行くために必要とされる力である。特に今後日本の子供達には不可欠な力となると言っても過言ではない。私自身、海外で生活をしている時、自分にもっと日本人力があたらと思うこと多々であった。例えば友達作りである。ニューヨークで最初に飛び込んだのは国連が運営している英会話学校だった。そこにはベビーシッターで北欧からきた若者、外交官のご主人についてきた奥様たち、アメリカで仕事を見つけた移民たちとあらゆるジャンルの人たちが英語を学びにきていた。クラスが終わるとフリートークが始まるのだが、来る質問のほとんどは日本の文化に関するもので、一番多かったのは神道と仏教の違いだった。これを語るには神社やお寺の環境、そこにある諸々のもの、例えば鳥居、賽銭箱、おみくじなどをどう説明するか、神社の多神教をどう説明するか、お寺でも結婚式を行うことをどう説明するかなど、文化的知識を必要とする。で、答えられないと
親しく付き合いたいという相手の興味の対象からは外される。例えば日本人はフランスやフランス文化が好きだ。フランス人と話すとパリの話やワイン、チーズの話になるが、彼らにとってそんなことはどうでもいい。それよりもどのくらい日本について語れるかで、次の食事会に誘ってくれるか、ワイン情報を教えてくれるかが決まる。つまり自国の文化を語れずして親交なしぐらいと思っていい。ビジネスの世界でも同じである。サントリーの創設者鳥井信治郎は接待中にビジネスの話をするのを禁じていた。それよりも大いに日本を語れ日本をPRしろと営業マンを励ましていた。ビジネストークだけで売るウイスキーはただのウイスキー、日本を語りながら売るウイスキーは日本を代表するサントリーのブランドウイスキーと考えていたらしい。
 さて、具体的に幼稚部での日本人力はどのように育んでいるかを説明する。ひとつはマナー。日本伝統のマナーは世界の中でも美しいとされる。お辞儀をする、靴を揃えるなどの動作から、こんにちは、ありがとう、さようならという日本語、また人への心遣い、日本人としての優しさ、そして強さ、これらを外国人の先生にも自然に伝える箏ができる習慣を毎日の保育の中で育んでいる。ただこの部分を本当に習慣化するのは、英語を教えるより難しいのが現状である。なぜなら家庭での習慣化のサポートが必要である。ご両親が率先して品格のある言葉を子供達と話、時には直してあげたり、使えるようになったら褒めてやったりを実践してほしい。
 もう一つ園では、日本の伝統文化に沿ったプログラムを通して、日本人としての意識を高める保育を行なっている。七夕、夏祭り、お月見、書き初めなど、外国人の先生にも子供達が教えてあげられるような日本文化のイベントを実施している。また現在、アメリカとフランスの幼稚園との文化交流を行うなか、日本からは子供達のアイディアで日本を知ってもらう作品を送り、海外の幼稚園からも独自の作品を送ってもらう交流を行なっている。
 このように園児たちが自国の文化や伝統、日本語を意識する中で育まれるものは将来においても子供達の身につく大切なものと確信する。

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